[Intro] [Piano plays the blossom motif with wide spaces between phrases.] 湯気の向こうで 君は笑わず それでも部屋は 暖かかった [Verse 1] 戦の前の庭 まだ梅雨にも遠く 君は私の鎧の 切れた緒を結ぶ 不器用な指先 何度も紐を外し 「これでは守れぬ」と 小さく眉を寄せた 私は茶を注ぎ 君の椀だけ満たす 言葉にすればすぐ 壊れそうで黙る 風が障子を押し 花の影を揺らす 二人の間だけ 時が歩みを止める [Chorus] 春に逢う約束 花の東の庭 君は茶を持って 私は刀を置き 春に逢う約束 言えぬ想いの代わり 欠けた簪ひとつ 掌へと預かり 戦が名を裂いても 季節だけは巡る 春に逢う約束 それだけを信じる [Verse 2] 今は焼けた野営地 濡れた布の天幕 胸当てを外せば 花びらひとつ落ちた いつ入り込んだのか 紅は端が焦げて 君が直した黒い緒 血と灰を抱いている 使者はまだ来ない 北の道は閉ざされ 君の隊の行方も 噂だけが乱れる 「無事だ」と書く紙を 何度も折り直し 宛先を書けぬまま 灯のそばへ伏せた [Pre-Chorus] 会いたいと言えば 弱さになるのか 生きてと願えば 罪になるのか 声にはできずに 簪を握り 折れた紅だけが 皮膚へ跡を残す [Chorus] 春に逢う約束 花の東の庭 君は茶を持って 私は刀を置き 春に逢う約束 言えぬ想いの代わり 欠けた簪ひとつ 掌へと預かり 戦が名を裂いても 季節だけは巡る 春に逢う約束 それだけを信じる [Guitar Solo] [Clean guitar begins alone, then distorted lead and solo cello complete the blossom motif over restrained 6/8 drums.] [Bridge] もし春が遅れても 庭で待っていよう もし名を失っても 君を見つけよう もし片手しかなくても 茶を分け合おう もし声が出なくても 隣で黙ろう けれど死だけは 約束に入れなかった 二人ともそれだけは 言葉にできなかった [Final Chorus] 春に逢う約束 花の東の庭 君は茶を持って 私は刀を置き 春に逢う約束 今も胸の内に 欠けた簪ひとつ 灯より赤く光り 戦が名を裂いても 季節だけは巡る 君の足音までも 連れてくると信じる 春に逢う約束 どうか忘れないで 私が疑う夜を その言葉で支えて [Outro] [Piano returns alone; the final chord is held without a fade.] 茶は冷めても 椀は二つ 花は散っても 席は二つ